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事業内容

波及事故寸前の高圧気中開閉器を発見

近年、高圧気中開閉器(SOG)による波及事故が急増していますが、最近経験した事例をご紹介します。

夏の雨上りの朝、予定されているお客さまの年次点検に出向しました。 停電時間は、9時から1時間、設備から見ても十分であると考え、TMB終了後、作業に着手しました。

構内第1柱SOGの外観点検をしていると、底の呼吸孔の周りが、白くなっているのを発見しました。 「もしかして」と思いお客さまの担当の方に聞いてみると、「時々、水が落ちているようだ」と話してくれました。 これは、中に水が溜まって底の呼吸孔より落ち、塩分によってその部分が白くなっていると思い、すぐに絶縁抵抗測定を実施したところ、3線一括でキュービクル内の高圧交流負荷開閉器(LBS)の電源側0(MΩ)、負荷側500(MΩ)でした。 LBSの電源側をSOGと引込ケーブルのみにして各線間、大地間を測定したが、0(MΩ)でした。 検査員2名の点検終了を待って構内第1柱に昇柱し、SOGの2次側を切り離し、SOG単体にて負荷側を測定したところ0(MΩ)であり、ケーブルの測定結果は2000(MΩ)で良好でした。

そこでSOGの不良と判断し、すぐにお客さまの担当者に状況を報告し相談の結果、直ちに取り替えることとなり、電力会社にSOGの電源側を切る依頼をすると同時に、担当工事店に新しいSOGの手配をしてもらうよう連絡をしました。 電力会社との縁切り完了後、SOGの内部を点検すると発錆が著しく、また、消弧室も一部溶解しており、波及事故寸前という状態でした。 電力会社と工事店の対応が早かったおかげで、午後2時ころには新品に取替え無事送電することができました。

今回の発見は、呼吸孔が白くなっていたのと、雨上がりで絶縁抵抗が0(MΩ)の値が出たのが重なったという良いタイミングによるものでした。 これは、波及事故発生の原因では、SOGの不良によるものが多いことから、特に7~10年を経過したものは要注意であると、重点的に点検したあらわれと思います。 お客様から大変感謝されたことは、とても嬉しいことであり、仕事の励みになって降ります。また、ご協力いただいた電力会社および工事店の皆様に、心からお礼申し上げます。