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単3開閉器中性線の接触不良を発見

ある電子部品組立工場へ月次点検にお伺いしたときのことです。

高圧キュービクルの点検に続き工場内の点検を始めました。組立ライン付近を点検中、一瞬、蛍光灯がパカパカと点滅しました。近くの従業員の方に「今、何かありましたね」と話しかけると、「最近はありませんが、先月末にも4,5回パカパカしたことがありました。細かい仕事なので困ります」との話でした。

早速、責任者の方にこの話をしたところ「先月には、時々ありましたが、最近ではないので『電圧でも低かったのかな?』と思っていた」とのことでした。

よく見ると点滅するのは、組立ラインのうち一列の蛍光灯のみです。キュービクル、分電盤で電圧を確認しても異常はありません。そこで、大容量の機器使用による電圧効果と考え、責任者の方に「今日だけ使っている機械はありませんか?」と尋ねました。

早速、工場内を駆け回って調べていただきましたが「特に新しい機械は使っていないが、高速カッタを短時間使った」とのことです。高速カッタは、倉庫内の100(V)コンセントから使用したとの事だったので、再現のためアングルを切断してもらったところ、2・3回に一度は蛍光灯が消灯し、点滅はカッタの使用時に発生したものと分かりました。

この回路(単相3線式)のスイッチを調べると、高速カッタを使った側の電圧は80~75(V)にまで下がり、反対側では130~135(V)に上昇することが分かりました。原因は、中性線の経年劣化による接触不良でした。

日常は負荷電流がほぼバランスしているため、発熱も電圧のアンバランスもありませんでしたが、今回は、たまたま蛍光灯の点滅がきっかけになって中性線の接触不良が発見できたものです。また、従業員の方の「以前にも…」の一言が異常の発見につながりました。

このまま使用を続けた場合は、異常電圧の発生によって機器の焼損等となることが考えられましたが、早期の異常発見により、事故防止を図ることができました