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零相変流器から異常音・・・貫通部のリーク痕を発見

ある中学校へ年次点検に出向したときのことです。

まず、電気保安責任者の先生と停電による点検作業の打合せをしてから、操作手順に従って低圧配電盤の各スイッチを切っていたところ、OCBキュービクル内から「ジー、ジー」「ジー、ジー」というかすかな音が聞こえてきました。 そのOCBキュービクル内部奥には、計器用変流器・零相変流器など電気設備の異常状態を検知する大切な機器が取り付けてあります。 これらの機器は、僅かな埃や高温・湿気の影響を受けて機器の劣化が進行し、絶縁不良などによって事故にまで発展する可能性があります。

早速、それらの部分を重点的に点検するため全停電し、目視と測定器を使用しての詳細な点検を開始しました。 開始早々、零相変流器の電線貫通部に白いリーク痕を発見したので、さらに細微にわたり調べますと、貫通部の絶縁電線と零相変流器セパレータに広範囲にリークした痕があり、これ以上の使用継続は危険な状態でした。 そのことを先生にお話しして、零相変流器を取り外し、高圧機器の点検をすべて終了してから受電しましたら、「ジー、ジー」という音はなくなりました。 もしも異常個所を発見できずに、そのまま使用されていたら、地絡・短絡事故となり、配電線への波及事故になっていたかも知れません。

点検終了後、先生にその実態を説明して、零相変流器の取り替えを依頼しましたら、先生は、「事故を未然に防いでくれた」と大変喜んでおられました。

今回の事例のように高圧機器の設置状態によっては、日常点検で異常個所の発見が困難な場合があります。 年次点検は、全停電して設備の点検をしますので、より精密な点検ができ、異常個所の発見や事故の未然防止のために重要なものです。