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ポンプの定格にあったスイッチを

ある社会福祉施設の点検にお邪魔したときのことです。

いつものように事務所で受電室の鍵を借りて、「最近何か変わったことはありませんか?」と尋ねると「給湯ポンプの調子が悪かったので新しく替えてもらったが、それからは特に問題はないよ」とのことでした。

一応頭の中にとどめて、早速受電室から点検を始めました。 高圧受電設備に異常はなく、施設内の点検に移りました。 ボイラ室では新しい給湯ポンプのモータが調子よく運転しています。 傍らには取り替えた古いモータが無造作に置かれていました。

何気なく見比べると、新しいモータは今までのものよりちょっと大きくなっているようです。 銘版で定格を確認すると、やはり1ランク大きい容量のものに変わっていました。 モータを大きくした時は、それに応じてスイッチも取り替えないといけない場合もありますが、快調に運転しているところをみると、その辺は大丈夫だろうと思いつつ制御盤の扉を開けてみました。

給湯ポンプ用の電磁接触器(マグネットスイッチ)を見てびっくりしました。 スイッチの接点は黒く焼けただれて、かろうじて通電している状態で、ケースは熱で変形していました。 モータを大きくして、制御盤のマグネットスイッチは今までのままで使用していたのです。 おまけに、そのままでは保護装置(サーマルリレー)が動作してスイッチが切れてしまうので、その部分はバイパスするように結線を変えてあり、定格を超える電流が流れても保護装置が働かずに運転していたのです。

このままではスイッチが接触不良になり火災に発展することや、単相運転になり、新品のモータを焼損してしまう恐れもあります。 急いで所長さんに事情を説明し、出入りの電気工事業者を手配してもらい、その日のうちに適正容量のマグネットスイッチに交換することができました。

「ポンプの業者が工事をしたので安心していたが、保安協会に点検してもらい本当に助かった。これからもよろしく頼みますよ」というありがたいお言葉をいただき、満足感に満ちた気持ちで帰途につきました。