ホーム > 事業内容 > 法人のお客さま向け > 保安業務ニュース > 私はこうして電気事故を防いだ > 小さな変化も見逃すな

事業内容

小さな変化も見逃すな

前任者から引き継いだ、水産物加工のお客さまへの最初の訪問日のことでした。

工場長に後任の挨拶をした後、キュービクル式変電設備から点検を開始しました。

点検を始めてまもなく変圧器低圧側ブッシング端子部の異常に気付きました。それは取り付けられたサーモラベルの一部が、黒色に変色していることでした。端子の締付部に緩みはなさそうだがと思いながら、放射温度計で温度測定を行ったところ、100℃を超える温度を指示したのでびっくりして、すぐ特別点検をと工場長へ停電の要請をしました。

しかし、どうしても今日中に仕上げなくてはならない仕事があるということで、しばらく待機することにしました。この間、予想される最悪の状況を考え、工場長に了解を取ったうえで電気工事業者に対応の手配をするとともに、協会営業所へ技術員の応援依頼をしました。

急ぎの仕事が終了すると同時に応援にきた同僚とともに停電操作を行い、変圧器の点検を開始しました。最初にブッシング端子部の点検を行ったが、締付け、接触面等に問題はありませんでした。「まずいなあ」と思いながら点検孔の蓋をとってみたら、そのとたん「プーン」と焼け焦げた強烈な匂いがしました。さらに内部に手を入れて鏡で目視確認したところ、コイルとブッシング間をつないでいるフレキシブルリード線が焼けて、溶断寸前であることがわかりました。

すぐに電気工事業者に代替変圧器の手配を依頼し、変圧器取替えの体制を整えました。こうして点検開始から約5時間で受電までこぎつけ、冷凍庫の原料、製品に何の影響も与えることなく復旧工事を終えることができました。

どんな小さなことでも見逃すことなく適切な処理を行い、事故未然防止を図ることが我々保安担当者の重要な責務であることを忘れることなく、これからも頑張りたいと思っています。