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事業内容

威力を発揮するハイテク機器 レーザ付き放射温度計

ある窯業原料メーカの定期点検にお邪魔したときのことです。

鍵を借り現場事務所で製造責任者に、問診しましたところ「特にないよ」との返事でした。

電気事故の発生要因には熱的原因によるものも多いため、今回は遠距離でも正確に計れるレーザポインタ付放射温度計により、稼動中の開閉器や接続部等の温度測定をすることにしました。

構内の第1柱柱上に設置してあるAOG(地絡保護付き高圧気中開閉器)の電源側接続点から測定を始め、順に測定していくと、R相S相に比べT相が10℃高い数値を示しました。

次に、ヒューズ筒の電源側(キャップ)から負荷側へと測定点を移動してみたところ、電力ヒューズ筒のキャップ部分の温度が異常に高くなっていました。このまま放置しておくと電力ヒューズが溶断して停電したり、溶断せずに過熱状態が続けば、AOG本体が焼損し波及事故になりかねないと判断しました。

測定した結果を説明し、「停電して修理させて欲しい」と申し出てたところ了承していただきました。協会営業所に連絡し同僚の応援を得て、電力会社等の関係者へ連絡のうえAOGを切りました。電力ヒューズの確認をしたところ電力ヒューズが接触不良により過熱変色し、溶断寸前でしたので予備の電力ヒューズに交換しました。このまま放置しておけば、AOGの焼損事故により停電し、操業に大きな支障が生じるところでしたので「ホッ」としました。

交換の理由を社長に説明すると「本当によく見つけてくれた、丁寧な点検をしていただきありがとう」と感謝の言葉をいただきました。製造責任者からも「保安協会へお願いしておいて良かったよ。」といわれました。

今回の点検により日常の目視点検だけでなく、通電状態での温度測定の重要性をあらためて認識するとともに、温度測定が予防保全につながり、お客さまの信頼を得ることになると思いました。