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事業内容

高圧ケーブルの絶縁破壊故障を未然防止

板金工場へ月次点検に行った時のことです。

まず、工場長にご挨拶して、その後、電気設備について何か思い当たることがないかお伺いしたところ「ない」とのご返事でしたので、点検に移りました。

この工場は、契約電力66(KW)の高圧受電で、構内第1柱から屋内キュービクルまでの22(m)は、昭和47年に布設したCVケーブルであり、現在まで異常なく使用されている施設です。

キュービクル裏の扉を開けて三さ分岐管部分を見たところ、三さ分岐管の下部のアース(接地)線取出し部分に、緑がかった少しばかりの水滴がにじみだしていました。寒い時期でもあるので、一瞬結露現象かなと思いながらも、もし異常があったならばとの思いで、臨時点検を実施することにしました。

工場を停電していただいて、高圧ケーブルの細部点検を実施したところ、屋外側の三さ分岐管部分に、小さなひび割れを発見しました。先ほどの緑がかった水は、ここから浸入したものであり、ケーブルの内部は、水浸しであることが予想されます。このままでは、ケーブルが近々に絶縁破壊をすると判断し、工場長に説明して早速取り替えていただきました。

取替工事実施後、撤去したケーブルを細部にわたって点検したところ、シース部内側全体に水が入ってシースアースの腐食が全体的に進んでいることが分かりました。また、各相の絶縁部分も水トリー現象により、絶縁破壊寸前の状態になっていました。

後日、この状況を工場長に説明したところ、「老化状況を早く発見してもらったおかげで、長時間・全停電故障を未然に防ぐことができた」と大変喜んでくださいました。

毎日の点検で、何げなく見過ごしてしまいそうな小さなことでも、その中に大きな問題を含んでいる場合があるものだとつくづく思ったものでした。